(2024.6.28)
ここ最近、カメレオンの人気が高まり、特にCOLORS CBを購入された方々の間で「カメレオン飼育は難しいのか?」という話題がよく話し合われています。これに関連して、多くの質問をいただいているので、いくつかの記事にまとめてみました。
まず、よく使われる用語「CB」と「WC」の説明をします。
CB(Captive Bred): 飼育下で繁殖された個体を指します。
WC(Wild Caught): 野生で捕獲された個体を意味します。
それでは本題に入ります。
①「ワイルド(WC)のパンサーカメレオンを買って1ヶ月で2匹とも死んでしまいました。やはりカメレオン飼育は難しいのでしょうか?」
いいえ、過去17年以上前には、今では「飼育が簡単」と言われるパンサーカメレオンも「飼育は難しい」とされていました。その理由は、野生で捕獲され、輸入されるカメレオンが体内寄生虫、傷、感染症、脱水症状、免疫力の低下など、さまざまな健康上の問題を抱えていたからです。また、WC個体の年齢は正確には分からず、老体である場合が多く、すぐに寿命を迎えてしまうことがあります。このような質問は毎年多く寄せられています。
②「ワイルド個体と違い、CB個体の飼育は難しくないのですか?」
はい、日本では15年以上前にWC個体が中心でしたが、その頃には海外でCB化が進んでいました。COLORSでも18年前にアメリカのブリーダーから輸入したCBパンサー(アンビローブ)をメインにし、WC個体もブリーディングしていましたが、CB個体は寿命まで長く飼育・繁殖を楽しめ、また、その頃のCOLORSで生まれたCBを購入された方々も多くの方が長く飼育・繁殖を楽しんでいたと、今でも嬉しいご連絡をいただきます。
こちらの上下2枚の写真は、18年前にアメリカのブリーダーから輸入したCB個体を繁殖させて誕生したCOLORS CBベビーが、購入されたお客様によって育てられた当時の写真です。
http://colors79gr.livedoor.blog/archives/22802991.html
最近も、COLORS CB安心サイズベビー(生後3ヶ月以上、健康確認済み)を購入された方々が家族でカメレオンライフを楽しんでいます。
③「CB個体を買えば誰でも寿命まで長く飼育できますか?」
基本的には「はい」ですが、購入時にはいくつかの注意点があります。CB個体でも、販売されている生体がすでに老体の場合があり、寿命まで長くないことがあります。たとえば、ショップで卵をキープするために何度も交尾させたオスメスや、繁殖に使い切った老体個体、フルアダルトサイズの大きすぎる個体などです。
これらの老体個体は、肌ツヤが良くなく、実物を見ても写真からも分かります。また、育て方や餌のガットローディング、飼育環境、個体差により、若くてもアダルトサイズの仔(バージン)がいる一方、栄養価の不足などで育たなかった年老いた個体も存在します。
他にも、「買ったばかりなのに爪が無い」という場合は、必要な栄養を与えられていないか、飼育環境が悪い、あるいは高齢の個体である可能性があります。さらに、「マウスロットでした」や「顎の骨が割れていた」、「指が無い」、「四肢が腫れている」、「病院に行ったら代謝性骨疾患(MBD)と言われた」なども、CBであっても適切な飼育環境(UVBライトなど)が整っていない場合があります。これらは飼育が難しいのではなく、病院通いになってしまいます。
④「どのような生体を選べば良いですか?」
はい、爬虫類メーカーの研究に基づき、UVBライトなどの設備を正しく整えている評判の良いプロショップから「健康で若いヤングサイズのCB個体を購入する」ことをお勧めします。特に、色彩変化を楽しめるロカリティの個体は、成長しながら多彩なカラーを純粋に楽しむことができます。
繁殖狙いで即戦力サイズをお探しの場合は、目標体重まで無精卵を持たせずにしっかりと育てることができるブリーダーから、未交尾のバージン個体を購入することをお勧めします。理由は、オスメス共に交尾や産卵を繰り返す度に寿命が短くなるからです。
ここまでの説明をする中で、「CBを売りたいだけのCOLORSの意見」と懐疑的に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、海外では広く知られたサイトの老舗トップセレクティブブリーダーが著作した文章を引用してご説明します。
「CBパンサーカメレオンは、野生のパンサーに比べて健康面で大きな向上が見込まれます。適切に世話をすれば、非常に丈夫になります。自然の生息地にいる野生のパンサーは、捕食動物、寄生虫、病気の危険があるため、1~2年しか生きられません。しかし、若く健康なCBパンサーを購入すれば、生涯を通じて楽しむことができます。飼育下のオスの平均年齢は3~5年ですが、8歳や9歳まで生きた例もあります。繁殖するメスの平均年齢は2~3年で、処女のメスは繁殖の危険から解放されると8年まで生きることが記録されています。」
この情報は2017年のものですが、2024年現在、爬虫類メーカーのUVBライトの進化により、CBパンサーカメレオンの寿命はさらに長くなったとされ、オスで5~10年、メスでは最長8年(バージン)と言われています。もちろん、観賞用飼育と繁殖しながらの飼育では寿命は大きく異なります。
最近では、寿命だけでなくセレクティブブリーディングの技術も進歩し、クラシックなカラーだけでなく、美しいパンサーカメレオンが多様に作出されています。そのため、CB+美しい作品を生み出す有名セレクティブブリーダーの血統が特に人気を集めています。
COLORSでは、Instagramを通じて世界のセレクティブブリーダーたちと情報を共有し、飼育下で繁殖された個体を適切に管理し、野生のパンサーカメレオンが手に入らない未来に備えるべきだと話し合っています。ブリーダーたちは「それはおそらくすぐそこまで来ている」と予測しています。
以上が『パンサーカメレオン飼育に関するよくあるご質問』の一部です。進化した飼育情報や製品も容易に入手可能となり、健康で美しいCB個体を手に入れ、飼育繁殖を楽しむことができます。
この情報をカテゴリに追加し、さらなる質問があれば随時更新いたします。今後も定期的によくあるご質問を記事にしていきますので、楽しいカメレオンライフの参考にしていただければ幸いです。
追伸
クラシックカラーのパンサーカメレオンが好きでWC個体を購入される際は、入荷直後に販売する店ではなく、入荷後に適切に駆虫(体内寄生虫処理)を行ってから販売するプロショップからの購入をお勧めいたします。野生捕獲個体の年齢は不明ですが、爪が欠けている、明らかに老体(肌ツヤが悪い)生体を避けることで、少しでも寿命が長い個体を見つける事ができます。