先日のCOLORSの新たな親種を生み出した血統図の投稿をご覧になった方から、『綺麗な色にこだわった繁殖に使うメスを購入したい』と、︎︎ メスの選び方についてのご相談がありましたのでこちらでも。
オスは発色したサイズを導入すればある程度の発色の範囲(アンビローブはとくに個体差があり変化し続ける為)はわかりますが︎︎ 、メスの血統はどんな色が混じっているのかわかりません。
日本では『メスの遺伝が80%』や『育つとほとんどがオスの体色の影響』と意見が様々だとたくさんの方から聞きますが、海外の複数のブリーダーからの何十年のブリーディングのデータでは遺伝率は50%の範囲を中心としていると言われ、『一度絵の具を混ぜると元に戻せないように、狙った色を出すのは非常に困難』と言います。
その多遺伝子形質のパンサーカメレオンで美しい色を求めるブリーディングを目指す場合は、厳選した体色の同じロカリティの雌雄を掛け合わせ、生まれてきた各血統の全てのオスを育て成長させて、どのような発色の範囲を見せる遺伝子なのかを確認し、『これなら間違いなく美しくなる』︎︎ 血統を選び出しその血統を用いて繁殖させて行く『選抜育種』をしていきます。
単に『同じ産地だから良い』では美しい体色の遺伝が引き継がれない理由はここにあります。
メスも同じクラッチからの姉妹を繁殖に用いても同じ色にはならず、兄妹間でも赤が多い個体を産むメスや黄色にブルーバーを多く産むメスに分かれるため、こだわりの強いセレクティブブリーダーではメスもその兄弟のオスの発色がよりばらつきの無い厳選した個体しか使用しません。
ですので、美しい発色を売りにするブリーダーの『︎︎ メスの両親の血統も確認する事は非常に大切』なのです。
以上のように、メスの親個体の発色にまでこだわって選び出し、美しいカラーを繁殖している海外のブリーダーを『あれはハイブリッドだ、雑種だ』と、WCのクラシックなカラーでは見られないため決めつけている方もいらっしゃると聞きますが、同じロカリティを長い年月をかけ選抜育種しているのであります。
中には8年などの長い年月をかけて作り上げた血統などもたくさんいます。
もちろん中にはクロス(デザイナーズパンサー)ではなく、ミックス(雑種パンサー)をアンビローブとして安価で販売流通させている海外ファームもあります。
アメリカではクロスとミックスを正しく明記していている評価の良い人気のブリーダーファームは、アンビローブが何%×ノシべ何%などと写真付きで堂々と販売しています。
昔の話ですが、ノシべブルーを作り出したブリーダーが最初のWCでブルーの親種を探し出し、トゥルーブルーを生み出したお話は大変な時間と苦労をされたともお聞きしたことを思い出します。
『ノシべブルーやノシべトゥルーブルーは自然界には存在しない』という方も日本にはいらっしゃると聞きますが、実際にマダガスカルに行きブルー1色のノシべを発見した事がある方はたくさんいます。
そして、「ノシべを交配し、ベビーを産ませることは誰でも簡単にできるが、誰もが求めている望ましい色のクオリティを生み出すために、適切な親種を選択的に交配することは全く別の問題なのだ。
特に︎︎オスの赤いスポット柄を消すにはメスの血統も重要」を、ノシべブルーを固定化させた方は強調されていました。
パンサーカメレオンの遺伝学についてはとてつもない長文になりますのでこの辺で割愛させて頂きますが、このように生まれた血統を選び繁殖して行くと、次世代の発色がより楽しみなブリーディングとなります。
COLORSでも美しい血統を排出し続ける海外ブリーダーとは頻繁に情報共有をしておりますし、引き続き楽しく繁殖をして行きます。
︎︎ハイクオリティで美しい血統の︎︎ メスは、信用出来る目利きの経験豊富なプロショップか、経験豊富なブリーダーさんから導入することをおすすめします。
即繁殖を狙う場合は、『即戦力の成熟した︎︎ メスはいますか?』と相談してみてください。
長い年月を掛けることなく、既に選ばれた︎︎ メスで『セレクティブブリーディング』をスタートする事ができます。
パンサーカメレオンの選抜育種に興味のある方はお気軽に連絡ください。
皆さまが美しい血統のメスと出会え、より美しいパンサーカメレオンが日本中に流通し、初めて見る方にももっと知られて人気が出る事を願います。
・美しいパンサーカメレオンの繁殖方法の他の記事 ⬇️